土木工事会社のM&A
土木工事会社の譲渡・買収では、建設業許可や技術者だけでなく、現場運営、主要取引先、協力会社、施工品質の引き継ぎが重要です。
評価で見られるポイント
公共工事比率
自治体案件や元請案件の比率、経審点、入札参加資格が重要です。
重機・資材
保有重機、リース、修繕状況、稼働率を確認します。
安全管理
事故履歴、安全書類、現場教育の体制を整理します。
許可・経審・入札資格・工事契約を分けて確認
株式譲渡では会社自体は変わりませんが、役員や営業所技術者等の変更、許可要件の維持を確認します。事業譲渡等では、建設業者の地位を承継する認可制度の対象と事前手続を、譲渡日を決める前に所管行政庁へ相談します。
認可による地位承継には経審結果も含まれます。ただし、発注者別の入札参加資格や個別の工事契約まで一律に引き継げるという意味ではありません。資格・格付けの取扱い、必要な届出や申請、契約上の承諾・通知を別々に確認します。許可・経審・入札資格の詳しい確認点
売却前に揃えたい資料
| 分類 | 資料から確認すること |
|---|---|
| 許可・公共工事 | 許可通知、経審結果、発注者別の入札資格・受注実績。業種、等級、有効期間、承継時の手続を照合します。 |
| 人材・施工体制 | 資格証、営業所・現場の配置表、協力会社との契約。資格者数だけでなく、継続意向と承継後に配置できる体制を確認します。 |
| 受注残・採算 | 契約済み・内示・見積段階を分けた一覧、工事台帳、残原価見込み。追加変更の承認、工期遅延、赤字工事を確認します。 |
| 未成工事・資金 | 未成工事支出金・受入金、完成工事未収入金、外注費・材料費の支払予定。工事別の進捗と入出金を突き合わせます。 |
| 重機・安全・補修 | 自社所有・リース・借用の区分、点検記録、保険、事故履歴、保証・補修案件。引き継ぐ設備と残る負担を整理します。 |
受注残が多くても、残原価や未承認の追加工事、回収条件によって利益と資金繰りは変わります。前受金も未施工部分の費用負担と合わせて確認し、受注額や現預金残高だけで価格を決めません。工事台帳・未成工事の整理
情報開示と価格の確認を段階的に進める
初期は会社名や特定につながる現場名を伏せた概要を用い、詳細資料は秘密保持契約と売り手の了承を踏まえて開示します。工種や地域、過去の入札結果から会社が推測される可能性にも配慮します。
評価額は成約価格の保証ではありません。譲渡範囲、借入・資産、工事のリスク、引継ぎ条件を調査して価格を協議します。税金・費用を差し引いた手取りや、株主と会社のどちらが対価を受け取るかも確認します。企業価値評価の考え方
公式参照:国土交通省・建設業許可事務ガイドライン、経営事項審査の現行案内。個別の手続は所管行政庁・発注者・専門家へ確認します。

